生徒がピアノに親しめるか?楽しめるか?の重要な要素として教本選びがあると思います。
ピアノの本を渡すことで、練習してくる宿題が出せ、生徒もそれが弾けることでレベルの向上を感じることができます。レベルの向上は以下のステップと私は考えています。
第1段階・・音が読めて、音の長さを理解し、リズムが叩ければ弾けます。
第2段階・・読めた音がフレーズを作れるか、リズムは拍子感を理解して叩けているか
第3段階・・弾けるフレーズの指番号は適切か。違う場合、必要のない強さを音に加えてしまいます。
第4段階・・指が独立して弾けているか。fが出せてもpになると音が消えてしまいます。
第5段階・・脱力が出来ているか。出来ていないとfの音は固くなり、伸びがなくなります。
第6段階・・脱力が出来ているか。出来ていないとフレーズを歌っているつもりでも、
その場で足踏み 状態の音楽になり、空気の流れを感じられません。
第7段階・・弾いている時に呼吸が出来ているか。
第8段階・・曲の構成を読み取りましょう。
第9段階・・4期のどれを弾いているかわかっているか。時代によってタッチは違います。
第10段階・・作曲家、どの国の人の知識があるか。
しかし、上記を網羅できる教則本はあるでしょうか?ずっと続けていれば中学生卒業頃には理解はできているかもしれませんが、教則本だけでは非効率なように感じます。
そこで教室では週の課題(楽譜を理解する課題)と月の課題(脱力や初見等のピアノを気持ちよく弾くための課題)を用意しています。
中学校卒業までコンスタントに続けてくれていれば教則本だけでもあるいは大丈夫かもしれません。しかし、部活・受験などで少なからず中断します。
私の手からいつ離れても「ピアノ、弾いてみようかな」の気持ちを持たせたい。
そのためには一方通行的に教わるのではなく、自分でやってみようの気持ちを育てることが大切です。
自発的に行動しているものの方が何事も習得が早いので、遠回りのようで結果的に近道ですから。
私の手をいつ離れてもピアノを弾いてみようと思えるように日々試行錯誤しています。
私の本を手に取る先生に共感していただけると幸いです。