ピアノのレッスンをする時、
ただ生徒にテクニック・知識を伝授すればいいのでしょうか?
専門分野に入る。又はそれを志す。
そのような方には、それも然りだと思います。
しかし、私は町のピアノ教師です。
音大に進学される方の指導もしていますが、
ピアノを弾いてみたいな。弾けるようになりたいな。
の思いの人にレッスンをしています。
音楽は、人間形成に1つの大きな役目をします。
そして私はその音楽のレッスンをすることで
生徒の中に大きくかかわります。
生徒達とかかわっているのが大好きで、
「ピアノを指導する」=「人間作りの一端を担っている」
と思っています。
・素直に人の話を聞く
・自分で思考する
・理解力を付ける
・持続力を持たせる
・探究心を持たせる
・自分が出来る可能性を信じれる心
生徒のレッスンにかかわるとき 底辺にこの思いがあります。
子供達は生まれたばかりの時、
遺伝子・素質・資質によりそれぞれの出発ラインはすでに異なっています。。
でも、それを取り巻く環境はもっと大きく
子供の内容を変化させてしまうと思います。
ワークをする子供の脇にお母様が居られる時
・答えを書く全てを子供に任せる方
・答えの字の書き方を注意される方
・答えが早く出せるよう誘導される方
・答えの間違いを見つけると何も言わずに消してしまわれる方
・答えを早く書くことを要求される方
私のレッスン室で目にする生徒と父兄の関係を
ワーク1つをとってもこれだけおられます。
それぞれのご家庭の価値観・子供に今何を求めておられるのか異なるため、
おのずと子供の物事に対する対応の仕方も異なってきます。
・時間をかけてもきっちり 始めから書く生徒
・答えを書いて違うと言われれば別の答えを書いて持って行くことに抵抗を感じない生徒
・間違いを指摘されると解らないと言うバリアーを張り巡らせる生徒
・人より早く進んでいたいが先行する生徒
・答えをお母様又は 私から引き出そうとする生徒
・鉛筆を持っているけれど 問題を取り組むまでにかなりの時間を要する生徒
私はお母様方に
自分の子供を客観的に見る
どうなってほしいかを考えてアドバイスなり注意・指導をしましょう。
と言います。でも、多くの方がその場を考えられます。
町のピアノ教師としては 宿題の曲が 一応音を見て弾けて○ではないのです。
そんなことではキーボードで弾くところが次々ランプがついていくのを先生にしても
フロッピーで始めは曲をゆっくり流してあわせて練習して音を確認して、
通して弾くための練習を個人でしていただいてもと変わらないからです。
指導する限り 基本的な音の読み(読譜力)をつけ
並行して拍子感をつけ、リズムを指導する。
フレーズ(スラー)を弾く方法を指導し、
曲によってのフレーズの持って行き方を指導する。
その間に生徒それぞれの癖を直し・脱力を指導し・曲の組み立てを伝えていく。
でも、これも指導する私が生徒に一方的に伝えた・教えたでは何にもならない。
受け取る側の生徒がしっかりキャッチしてくれなければ・・・
そこで始めに書いた素直に人の話を聞き、
自分で思考し、理解力・持続力・探究心のある生徒、
物事をやり遂げられる力が自分にはあると言う自信を持てる生徒
そういうことを育てていないと私からの単なる一方通行になってしまうのです。
でも 100人の生徒それぞれが 違う環境・価値観の中にいるのですから。。
適切に指導できるよう自分の中のアンテナを
生徒に全開にして見ていないと出来ないことなのです。
今、学校教育で学力が低下したから内容を難しくすると言っていますが
知識を教え込む前に子供のそれを受け取れる
底辺を何故広く深くしてあげることを考えないのでしょうか?
私は、生徒達がピアノのレッスンを通して
頭の中・心を深く広く大きくしてくれることを望みます。