長く携われば携わるほどに、ピアノの教育としての価値の大きさを感じます。
例えば楽譜を見る。楽譜には拍子があり、音符が書かれ、
リズムがついて速度や表現の表示がしてあります。
しかし、同じ楽譜からでも人それぞれに読み取り方は違います。
楽譜をどういう風に読み取り、自分の弾いている音を
どれだけ注意して聞くかで注意力は育ちます。
自分の弾いている曲がどういう曲なのか・・
「楽しい」「悲しい」「軽やか」「静か」等を考えて、
そう聞こえる音を出したいと思った時。。
そういった前後関 係も考えての音作りは「思考力」「集中力」を養い、
曲を1つの物語と考えその中に情景描写・感情描写を加えれば、
感受性・国語力を養います。
バロック系でのメロディーの追いかけっこは、左脳・右脳を使っての作業になり、
系統立てて考える力は、数学的な面を伸ばします。
というように生徒さんによっての個々の成長も取り組む姿勢も異なりますが、
それぞれがプラスの方向で進んでくれるよう取り組んでいます。
ピアノレッスン自体ですがレッスンでは、読譜・テンポ感・拍子感・音感・リズム、
次にフレーズ・速度・時代的なもの・演奏法等の指導をします。
それに並行してキータッチ・音の出し方・指の下ろし方・脱力・体の使い方等を指導します。
指導する側からは ピアノのレッスンは前記したようなことを目的としていますので、
曲を 楽譜を見て弾いた時、よりよい音色・曲にあった音で弾けるようになって欲しい。
どう聞こえる曲に仕上げたいかを考えて弾いてもらいたいのです。
だから、その変化を感じられない電子楽器よりアップライト。
よりこまやかなキータッチ表現を感じるグランドピアノとなります。
触れば・叩けば音楽になるとは決して思って欲しくないし、
弾いた=音楽 とも思って欲しくない。
生徒達に 言うのですが ピアノは指先だけで弾くのでなくて
頭からピピピって指令が行って腕を通って手を通って、
指先に到着するから途中で折れたり曲 がったりしたら 到着しないし、
あなたも指も体全部が音楽を感じられるようにならないと、単に音を弾くことになるよ。
あなたが弾いている曲を聞きたいの に 指だけが音を弾くのでは音楽にならないよ。
小さい方達にも 徐々に思いを伝えていきます。(生徒への手紙7月より)
音楽はその人の人間としての豊かさの1部であり、
その人を形成する上での重要な役割をしていると思っています。
だから 先月のお手紙で書きましたように 楽譜を弾かせればいいとは思っていません。
何か 曲を弾くには それなりの努力は必要です。
子供さんによって体格的なものが成長する時期が異なるのと
同様に物に対する見方・注意力・集中力・持続力・構成力・感性等も個人差があります。
伸びる時期・伸ばしやすい時期も異なります。
でも常に 前向きに 身についていってもらえる姿勢で対応しなければと思っています。
練習も 自分の生活リズムの管理ですから少しでも時間を作る努力を
できるよう一緒に考えますし、ご父兄にも時間の割り振りに子供さんと
お話していただくようにします。
ピアノは 家庭での練習量が上達の条件です。