発売が2021年初秋頃になりそうな「ピアノ教室の先生あつまって!」には写真を170点程、QRコードの動画を20点程掲載しています。
教材・教具は、1人の生徒に何をプラスすれば本人にとって受け入れやすいものになるか、理解しやすくなるか試行錯誤した結果です。
故に、新しい生徒が入れば「教材・教具」も増えます。
1人のために作っても他の生徒にも活用できる。使っているうちに改良点が見えてくる。出来ていると思っていても質問の仕方を変えると解っていなかったりします。
つまり確認にも使えます。作る時は手間も時間もかかりますし、集中力も必要になります。でも、一度作れば、かなりの期間(自分が改良点を見つけられるまで)使えます。
本の原稿を出版社に渡したのが2020年の秋。コロナに突入していました。
私は音楽の指導をするのに、「教室のピアノで教えたい」という思いがありましたし、生徒達も小学3~4年以上になると確実に教室のピアノで弾くのが好きになります。
コンサートグランドですが、音色が良い。弾いた音が自分に戻ってくるというか、1つになる感じがする。等色々ですが、生徒が「このピアノ好き」と言ってくれるのは嬉しいことです。
だから、生徒が教室に安心して通って来られるように私にできる最大限の衛生管理を行いレッスンします。エアードックを設置し、生徒が触れるものには抗菌コートをします。必然的に個人のみが使えるものを増やしました。
生徒にはそれぞれに合ったワークブックを渡します。ワークの内容は様々なので、Aを使う生徒、Bを使う生徒、Cを使う生徒で知識にバラツキを出したくありません。結果、全員にチェックプリントを行います。私は色々な事にタイマーを使います。タイマーを生徒の前に置きませんが、(時間を区切られるだけで焦ってしまう生徒もいるので)理解していれば1回2分程で解けるプリントを渡します。それ以上かかる生徒には「今日は先生と一緒に考えよう」と言って問題を一緒に解きます。一種は楽典的なことを主にしたプリント。もう一種は音符の名前や長さ、拍を主にしたものです。
出来るまで、毎週同じプリントをし、覚えてほしいことを覚えられない生徒はそれぞれに合った覚え方を指導します。その時にその生徒用の簡単な教具的なものを目の前で作って渡します。それに関しては、カバンの中に入ったままになりかねないので、お母さんにメールで、「〇〇を覚えさせたいので、△△を作って渡しました。目につく壁に貼っていただけますか。」だったり、「一緒に遊んでいただけますか」だったりを伝えます。
完答出来れば次のプリントに進みます。3枚を上限にします。何週間違えても怒らない。教え方を工夫して、出来れば一緒に「やったー!」で良いと思っています。私に覚えさせられているのではなく、本人の覚えてしまおうの気持ちが大切だと思っています。
これはプリントに限らず、ピアノ練習も、他の勉強も同じです。目の前の課題に取り組んでするのは自分、出来るのも自分、出来てしまうのも自分。
「考え方」の指導です。
音読みカードは種類をたくさん用意していますが、全部クリアできるまで、まだ出来ていない音読みカードを行います。あと、各月の課題として、「初見練習」「リズム叩き」「テクニックの確認」「体感」「脱力」「指の形」等をしますが、時間調整はプリントの量で調整します。生徒によって集中力の持続時間が3分だったり20分だったりと色々ですから、集中が切れそうかなというタイミングでストップします。個々のワークブックも、半ページで良いとか、1番だけにしようとかにします。
集中が途切れているのに教え込むのはこちらの自己満足でしかないからです。また、他の事に時間がかかりそうな日はプリントはその1枚だけにします。
教具を作る材料としてカッターで切れる厚さの厚紙・カラー画用紙・折り紙・発泡スチロールの薄い板・マジック、マーカーなどの筆記具・両面テープ、ボンド等接着系・色々な種類の紐・空箱やペットボトルの蓋等を持っておかれると、すぐに思いついた時に対応できます。教材を作る時も応用が利きます。
私の教室で使っている教材は販売していますが、教室の個性もありますから、みんなで共有で使う教材は、先生方で作ってみてください。作って試すと、先生自体が指導にプラスしたら良いことが見えてきます。